月食は月、太陽、地球が一直線に統合するパワフルなエネルギーの時です。ヴェーダの叡智では、月はマインドを、太陽は魂を、地球は肉体を象徴するとしています。したがってこの三者が完全なる統合のアスペクト(相)にある時、そこから発される偉大なエネルギーを私たちは魂の進化のために役立てられるのです。
さらにインドのタントラ*とクンダリーニ**の哲学および知識では、月はイダの、太陽はピンガラのナーディ(脊椎基底部から頭頂へと螺旋を描いてつながるエネルギーの通り道)を象徴しています。両者のバランスがとれている時、エネルギーはクンダリーニを目覚めさせて、スシュムナーのナーディ(脊椎基底部からまっすぐ頭頂へとつながるエネルギーの通り道)を昇ります。したがってこの時、天体は私たちが内面で動き出すクンダリーニのエネルギーを体現する手助けをしてくれる形での統合を果たしていることになります。
*タントラでは生命力はナーディ(経絡:「川」「流れ」を意味するサンスクリット語)を通して循環するとしています。イダは体の左側、ピンガラは右側から始まっている螺旋状のエネルギーの通り道です。スシュムナーは中央をまっすぐに上へと走る通り道です。
**クンダリーニは、脊椎基底部にとぐろを巻いている、私たちに内在する神聖な女性性のエネルギー(氣とも呼ばれます)であると考えられており、多くの文化において神聖視されています。
インドのパンディット(司祭・高僧)が提供してくださった伝統的な修練方法はこちらです。
- 自分の住む地域での月食の開始と完了の正確な時間を調べる。(このリンクから調べられます。)
- 月食開始の9時間前から断食する。食べ物を断つことがおすすめだが、牛乳や果物は月食までの9時間の間に摂取してもよい:水を断つことは任意:自分自身にとって最適な方法を選ぶこと(ご注意:9時間以上、断食をすることについての疑問点やご質問はかかりつけ医の方とご相談ください)。
- 可能ならば、月食開始時間ぴったりに、大量の水(川、湖、海)に浸かって沐浴する。上半身下半身ともに衣服で覆われた状態で沐浴する。沐浴は短くてもよい:水に3度浸かる。湯船に浸かったり、シャワーを浴びる沐浴でも構わない。自然の水源が近くにあるならば、そこからビンに入れて水を持ってきて、浴槽に入れたり、シャワーとともに浴びたりしてもよい。
- 沐浴後、乾いた衣服に着替える。
- 月食の間中、マントラ(ガヤトリー・マントラなど)か、伝授されているならばグルマントラを、または「オム・ナマ・シヴァヤ」と唱えながらジャパを行う。
- サダナ(スピリチュアルな修練の実践)に集中する時として、月食の間は仕事(作業、会議、労働)は行うべきではない。
- 月食が完了する時間ぴったりにもう一度、沐浴する。
- 完了後はいつ断食を解いてもよい。